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会長挨拶

細川 茂雄
HOSOKAWA Shigeo

2024年度の総会におきまして、第38期日本混相流学会会長を拝命いたしました。大変光栄に感じるとともに、身の引き締まる思いです。

本学会は1987年7月に「混相流」を対象とした学会として世界に先駆けて設立され、すでに37年が経過しております。この間に、機械、原子力、化学工学、土木などの学問・技術体系を「混相流」というキーワードで貫く学際的な学会としての確固たる地位を築くとともに、1991年に初めて開催された混相流国際会議(ICMF)をはじめ、日欧米二相流専門家会議、日米二相流専門家会議、混相流計測技術国際会議などの国際会議を通して、国際的にも存在感を発揮する混相流コミュニティとなっています。

本学会の魅力は、混相流シンポジウムをはじめとする会合での活発な議論と、様々な行事・活動を通して作られた分野を超えた強いネットワーク、さらには、様々な意見に寛容で自由闊達な雰囲気にあると思います。私自身も混相流シンポジウムをはじめとする本会行事で、大御所の先生から激励いただいたり、ご意見やご示唆をいただき多くを学ばせていただきました。また、活発な議論から多くの着想を得ることもできました。さらに、学会の委員会や国際会議・国内会議で諸先輩方、同世代、若手の研究者と一緒に作業をさせていただき、縦横のネットワークが築けたことは、研究活動において大いに役に立ちました。

現在では、学会草創期に活躍された世代からかぞえて3世代目、4世代目の研究者が活躍されています。長期間、醸成、維持されてきたこれらの魅力は、日本混相流学会の伝統といえる時期に来たのではないでしょうか。このような素晴らしい学会を築かれてきた歴代会長はじめ諸先輩方に、この場をお借りして敬意を表するとともに、深く御礼申し上げます。

伝統を受け継ぎ、継続していく主体は、会員の皆様ですので、学会組織の役割は会員の皆様が楽しんで伝統を続けていける機会と環境を維持することにあると思います。2024年の混相流シンポジウムも、伝統を受け継ぎ、活発な議論と交流が行われました。交流の場を準備、運営にご尽力いただいた瀬田先生をはじめとする実行委員会の皆様に感謝申し上げます。また、活発な議論・交流いただいた参加者の皆さんに深く御礼申し上げます。1年間活発な活動を支えてこられた第37期会長の村井先生、総務部会長の原田先生、はじめ第37期の役員の皆様、有り難うございました。バトンを受け継いで伝統の維持に貢献できるよう第38期役員のお力添えをいただきながら、学会運営を進めてまいります。

一方、伝統を維持するためには、形式的なルーチンを続けるだけでは不足であり、時代や環境の変化に応じた変革を行なっていく必要があります。このような変革は容易ではなく、とりわけ多くの分野の方が参加される本学会においては、多方面からご意見を加味する必要があると考えます。会員の皆様、とりわけこれから学会の主役になられる若手会員におかれましては、忌憚なくご意見をお寄せいただければ幸いです。

2025年は、混相流シンポジウム、ICMF、日欧米・日米二相流専門家会議、混相流計測技術国際会議など多くの企画が予定されます。会員の皆様にとって意義ある研究交流の場を企画・提供できるよう、努力していく所存です。会員の皆様、理事・委員の皆様におかれましては、引き続きご支援、ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。

関西大学社会安全学部 教授

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